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  低レベル放射性廃棄物  原 発 

 使用済み核燃料から生じる高レベル放射性廃棄物は再処理してガラス固化体にする。国が主体となって処分先の選定を進め、地下300mで10万年管理する。

 廃炉で生じる廃棄物の98%は産業廃棄物や汚染が微量で放射性廃棄物として扱わないゴミで、2%は低レベル放射性廃棄物である。低レベル放射性廃棄物も長期間の管理が必要である。電力会社は廃炉する原発の低レベル放射性廃棄物の想定量や処理費用の公表しなければならない(原子炉等規制法)。

    ●放射性廃棄物の処分方法

    高レベル       地下300m    10万年管理

    L1(制御棒など)    地下70m以上 300~400年管理、その後は国が10万年管理

    L2(廃液など)     地下70m未満 300~400年管理

    L3(コンクリートなど) 地下70m未満 50年管理

 東海原発01年に廃炉を始めた。地質調査や地元の茨城県東海村との調整に時間がかかり、15年にようやくL3廃棄物の処分先を原発敷地内とすることを決めた。東海村はL1、L2の処分は認めていない。  

 浜岡原発09~36年度の28年間で1、2号機を廃炉にする。廃炉は11年に始まり、現在は原子炉周辺の配管やタービンなどの重要設備を解体する作業に入っている。23年度に原子炉本体を解体する段階に移る予定である。浜岡原発では2万tの低レベル放射性廃棄物が発生する。L3の一部は仮置き場に置かれている。

 福井県では関西電力4基と日本原子力発電1基が廃炉にされるが、県は県外搬出を求めている。

 国の原子力規制委員会19年11月になってようやくL1の基準の策定を始めた。資源エネルギー庁は「一義的に事業者の責任」としている。

 低レベル放射性廃棄物の9割以上は処分先が決まっていない。電力会社、国、地方自治体が責任を押しつけあっている。その内訳は、8社18基で、L1=3220t、L2=2万9340t。L3=13万1280tである(2019年11~12月、読売新聞2020年1月6日)。

          低レベル廃棄物の量と廃炉費用

          地方   県   廃 炉 機     量      費 用  電力会社 

          東北 宮城 女川1号機   6,140t     419億円 東北電力

             福島 福島第二1号機 11,320t    683億円 東京電力

             福島 福島第二2号機 13,310t    700億円 東京電力

             福島 福島第二3号機 13,560t    691億円 東京電力

          関東 茨城 東 海      26,900t    885億円 日本原子力発電

          中部 福井 敦賀1号機   12,700t    363億円 日本原子力発電

             福井 美浜1号機     2,340t    323億円 関西電力

             福井 美浜2号機     2,700t    358億円 関西電力

             福井 大飯1号機   11,700t    592億円 関西電力

             福井 大飯2号機   11,790t    594億円 関西電力

             静岡 浜岡1号機   10,400t    379億円 中部電力

             静岡 浜岡2号機     9,480t    462億円 中部電力

          中国 島根 島根1号機     6,080t    378億円 中国電力

          四国 愛媛 伊方1号機     3,030t    369億円 四国電力

             愛媛 伊方2号機     2,960t    396億円 四国電力

          九州 佐賀 玄海1号機     2,890t    385億円 九州電力

             佐賀 玄海2号機     2,930t    365億円 九州電力

                合 計    163,820t 9,063億円

                             (読売新聞調べ)

​ 電力会社、国、地方自治体が責任を押しつけあい 醜いi

 

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